日本大百科全書(ニッポニカ) 「綿陽」の意味・わかりやすい解説
綿陽
めんよう / ミエンヤン
中国、四川(しせん)省北部、揚子江(ようすこう)支流涪江(ふこう)上流右岸の地級市。古称は涪県、緜州(めんしゅう)。3市轄区、三台(さんたい)、塩亭(えんてい)など4県、1自治県を管轄し、江油(こうゆ)市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口548万8000(2014)。隋(ずい)代以降の緜州の州都で、1913年に緜陽県となり、1976年県城地区を分けて綿陽市を設け、1979年すべてを市域とした。四川北部の交通要地で、成都(せいと)への道路や宝成線が通じ、涪江の水運もある。市街近郊には2001年開港の綿陽南郊空港があり、北京(ペキン)、上海(シャンハイ)など国内主要都市とを結ぶ路線が開設されている。付近の養蚕による製糸工業が盛ん。唐の詩人李白(りはく)の故郷として知られ、九皇山、報恩寺などの名勝・旧跡がある。
[小野菊雄・編集部 2017年8月21日]