中国、清(しん)朝の末期に新設された対外国交渉の官庁。総理衙門、総署、訳署ともいう。中国の伝統的な対外国姿勢は相手国を朝貢国とみるもので、清朝でも対外交渉機関は礼部と理藩院(りはんいん)の管轄下にあった。清末のヨーロッパ諸国の進出に対しても、特命大臣である欽差(きんさ)大臣に処理させていたが、北京(ペキン)条約(1860)以後イギリス、フランス両国は外務省設立を要求したため、1861年にこの条約締結の任にあたった恭親王奕訢(えききん)らにより設立された。総理衙門は六部(りくぶ)の一つである部ではなく軍機処(ぐんきしょ)の分局であり、臨時委員会的な組織で、大臣の多くは軍機大臣の兼任であった。1901年に外務部が新設され、総理衙門は廃止された。
[細谷良夫]
…中国,清末に設立された洋務および外交事務をつかさどる中央機構。総理各国事務衙門の簡称。また,総署,訳署ともいう。…
※「総理各国事務衙門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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