出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…このように雍正年間の軍機処は北方遊牧民族に対する軍事力行使のために臨時に設けられた小委員会にすぎなかったが,つづく乾隆朝になると内閣の実権を奪い,以来清代を通じて重要政務全般をつかさどる最高機関であった。軍機処の長官を軍機大臣という。軍機大臣は専任の官ではなく,また定員もなく,内閣大学士,六部の尚書・侍郎のなかから特命で任命された若干名が兼務した。…
… 明代初めには丞相が置かれていたが,丞相胡惟庸の専権が処理されると,丞相を廃して,宣徳年間(1426‐35)から,皇帝の秘書官で教育係の内閣大学士が政治を執行する権力を握り,明代中期以後は宰相職を遂行した。清朝初期は,明の制度を継承して,最高行政機関を内閣とし,内閣大学士が宰相職を執行したが,雍正帝のときに軍機処が置かれ,軍機処の大臣つまり軍機大臣を内閣大学士の中から任命するようになると,重要な政務はすべてここで決裁されるようになり,軍機大臣が宰相の職務を遂行し,軍機処が国政の最高機関になり,内閣は普通事務を取り扱う役所になった。清朝滅亡直前に,日本にならって内閣を置き,内閣総理大臣を置いた。…
※「軍機大臣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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