繰入(読み)くりいれる

精選版 日本国語大辞典 「繰入」の意味・読み・例文・類語

くり‐い・れる【繰入】

〘他ラ下一〙 くりい・る 〘他ラ下二〙
① 糸や綱などを順にたぐって引き入れる。たぐり込む。
※枕(10C終)三〇六「のぼらんとて、その縄をなん引くとか。惑ひくりいるるさまぞことわりなるや」
② 順に送り入れる。
桐一葉(1894‐95)〈坪内逍遙〉六「ひそかに夥多(あまた)の浪人共を、西の御番所に繰入れしは」
③ 組み入れる。編入する。
④ ある用意された資金を、他の目的のために融通する。
国債整理基金特別会計法(明治三九年)(1906)二条「毎年度一般会計より之を国債整理基金特別会計に繰入るへし」
⑤ ある一定期間のはじめに、前の期間の収支残高を持ち越して含める。
会計法(明治二二年)(1889)二〇条「剰余あるときは其の翌年度歳入に繰入るへし」

くり‐いれ【繰入】

〘名〙
軍勢などをしだいに引き上げること。退却させること。くりびき。
※籾井日記(1582頃)二「諸陣をくり入れの法として、段々に引入れ」
② 会計に記録されている金額一つの会計から他の会計へ、また一つの勘定から他の勘定へなどと、その所属を移動させること。
財政法(1947)二条「会計間の繰入」

くり‐い・る【繰入】

[1] 〘自ラ四〙 少しずつはいりこむ。順にはいりこむ。くりこむ。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
[2] 〘他ラ下二〙 ⇒くりいれる(繰入)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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