(読み)ヒタタ

デジタル大辞泉 「纔」の意味・読み・例文・類語

ひたた【×纔】

[副]わずかに。ついちょっと。
「―涌ける釜に臨むに、両の目釜に煮らえき」〈霊異記・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「纔」の意味・読み・例文・類語

ひたた【纔】

  1. 〘 副詞 〙 わずかに。かろうじて。
    1. [初出の実例]「後に石別自ら纔(ヒタタ)涌ける釜に臨むに、両の目釜に煑らえき。〈興福寺本訓釈 纔 比太太〉」(出典日本霊異記(810‐824)上)

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普及版 字通 「纔」の読み・字形・画数・意味


23画

[字音] ザン・サン
[字訓] くりいろ・わずか

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(ざん)。〔十三上に「帛、雀頭の色なり。一に曰く、色、紺の如し」とし、「纔は淺きなり。讀みて讒(ざん)の(ごと)くす」という。色の浅いことから、「わずか」の意があるとするものであろう。

[訓義]
1. くりいろ、すこし黒いいろ、つちいろ。
2. 一度染めの帛。
3. 才・財・裁などと通じ、わずか。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕纔 志介糸(しけいと) 〔名義抄〕纔 ワヅカニ・ヨフ 〔字鏡集〕纔 タビタビ・ワヅカニ・シバラク・チカシ・ウスクロイロ・ヨフ・ハジメ・ヨミ

[語系]
纔・才・材・財・裁dzは同声。みな「はじめ」「わずか」の意がある。「わずかに」という副詞によみ、「わずかに能くす」の意に用いる。

[熟語]
纔好纔至纔瞬纔是纔方
[下接語]
初纔

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