缶詰・罐詰（読み）かんづめ

精選版 日本国語大辞典

かん‐づめ クヮン‥【缶詰・罐詰】

〘名〙

① 調理した肉、魚、果実、野菜などの食品、または、ビール、ジュースなどの飲料を、缶に詰め密封をして、長く保存できるようにしたもの。

※東京日日新聞‐明治一二年（1879）九月二四日「漁猟の魚を缶詰に製し」

※土（1910）〈長塚節〉二〇「牛肉の鑵詰(クヮンヅメ)」

② 転じて、秘密などが漏れないように、また、仕事、交渉などを早く進めるために、関係者を一定の場所にとじこめること。また、車内などの狭い所に多くの人がとじこめられること。

※万朝報‐明治四〇年（1907）一〇月一七日「『議員の罐詰』と言ふ新熟語が流行する」

※北東の風（1937）〈久板栄二郎〉三幕「白浜温泉に三日も鑵詰になってからに、もうすっかりプランを樹てました」

[語誌]罐（「缶」は簡略体）は、中国では「瓶(かめ)」の類を指すが、英語の can に類似の音であるため当てて用いられた。

出典　精選版 日本国語大辞典