置鼓(読み)オキツヅミ

デジタル大辞泉 「置鼓」の意味・読み・例文・類語

おき‐つづみ【置(き)鼓】

能の特殊な囃子事はやしごとの一。翁付おきなつきなど、格別な能の会で、ワキの登場などに用いる。小鼓と笛だけで奏す。

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精選版 日本国語大辞典 「置鼓」の意味・読み・例文・類語

おき‐つづみ【置鼓】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 能楽囃子(はやし)の一つ。小鼓(こつづみ)の特殊な演奏で、ワキの重い登場や謡い出しの開口(かいこう)の場合に打たれた。また、翁付(おきなつき)脇能のときは、真の次第という登場楽のかわりに演奏される。このとき、笛は音取(ねとり)という特殊な曲を吹く。
    1. [初出の実例]「鼻かみて、をきつづみ打とめさせ、声合はせて言ひ出しける也」(出典:申楽談儀(1430)能の色どり)
  3. 能楽から転じた下座音楽鳴り物の一つ。幕が開いて、まだ俳優が動かないでいるときに奏する鼓のこと。
    1. [初出の実例]「ト雛段に長唄囃子連中、烏帽子素袍にて居並び、置鼓(オキツヅミ)あって長唄になり」(出典:歌舞伎・連獅子(1861))

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