改訂新版 世界大百科事典 「美人香草」の意味・わかりやすい解説 美人香草 (びじんこうそう)měi rén xiāng cǎo 中国の古代歌謡《楚辞》の修辞法。とくに離騒篇中に見える美人は主君を,香草は忠臣を比喩したものとされる。王逸は《楚辞章句》離騒篇の序において,善鳥香草は忠貞の臣を,悪禽臭物は讒侫(ざんねい)者を,霊修美人は主君を,神女たちは賢臣を,竜や鳳は君子を,風や雲は小人を比喩しているのだという。王逸のように機械的に割り当てると解釈を誤るところも出るが,これらの比喩体系は《楚辞》が成長してきた祭祀文芸にその根源をもつもので,その正確な把握は《楚辞》文学の理解のために不可欠である。執筆者:小南 一郎 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by