美敷郷(読み)みふごう

日本歴史地名大系 「美敷郷」の解説

美敷郷
みふごう

和名抄」高山寺本・刊本ともに「美敷」と記し、いずれも訓を欠く。

遠江安房美濃安芸筑前諸国にみられる「壬生郷」や、参河国の「美夫郷」と同音であろうとする考えから、この郷も「みふ」と読むのではあるまいかとする説が有力である(日本地理志料、防長地名淵鑑)。しかし平城宮出土木簡に、「周防国大嶋郡美敢郷凡海阿耶男御調塩二斗 天平十七年」「周防国大嶋郡美敢郷田部小足調塩二斗 天平十七年」「周防国大嶋郡美敢郷凡海直薩山御調尻塩」とあって、ともに「美敢郷」と記されていることから、「和名抄」が記載するときに「美敷」と誤写したか、あるいは平安時代に入って郷名が一字改められたかのどちらかであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

関連語 防長地名淵鑑

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む