普及版 字通 「翕」の読み・字形・画数・意味


12画

[字音] キュウ(キフ)
[字訓] あつまる・あう

[説文解字]

[字形] 形声
声符は合(ごう)。合に給(きゆう)の声がある。〔説文〕四上に「(た)つなり」とあり、鳥がいっせいに飛び立つ意。〔論語、八〕に孔子楽章のことを論ずる語に「始めて作(おこ)るや、翕如たり」というのは、諸楽がいっせいに吹奏をはじめる意。その音の相和するさまをいう。鳥がいっせいに集まること、またその動作が敏速であることをいう。

[訓義]
1. あつまる、あう、おおい。
2. いっせいに飛び立つ、おこる、したがう。
3. 闔と通じ、とじる。
4. ・吸と通じ、すう、おさめる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕翕 トシ・オコク・アツマル・ヒラク・アフ・オホフ・サカユ・ヒク・アハス 〔字鏡集〕翕 ハヰル・クチスル・ヒク・ヲサム・アハス・ヲコク・トシ・オホフ・アサム・アツク・ハツクロフ・ヒロク・サカリ・アフ・ヤク・アツマル・ツバサ

[声系]
〔説文〕に翕声として歙・など三字を収める。歙はまたに作り、(吸)と声義が近い。水流の疾(はや)い音。みな翕の声義を承ける。

[語系]
翕・歙xip、合hpは声義が近い。また盍・闔hapも声近く、みな、あつまる、かたまるの意がある。

[熟語]
翕繹翕赫翕翕翕協翕響・翕・翕肩・翕合翕忽翕散翕受翕聚翕習・翕純・翕如・翕心・翕然翕張・翕服翕闢翕翼翕斂
[下接語]
翕・翕・呼翕・始翕・趨翕・吐翕・闢翕

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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