老人斑(読み)ろうじんはん(英語表記)senile plaque

知恵蔵の解説

老人斑

老人性認知症の1つであるアルツハイマー病の脳の組織には、特徴的な2種類の構造物がある。その1つが老人斑と呼ばれるもので、もう1つが神経原線維変化である。老人斑は主成分がβアミロイドと呼ばれるアミノ酸40個前後からなるたんぱく質であることが分かってきた。アルツハイマー病の患者の脳内では異常なくらい大量の老人斑の沈着が起こり、神経細胞死が急速に広がる。アルツハイマー病の脳内で最も早期に見られる現象であり、老人斑は病気の成因に大きな関係がある。βアミロイドは、21番目の染色体上にある遺伝子から作られる。また、特殊な早発性家族型アルツハイマー病では、この遺伝子の突然変異が知られている。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

大辞林 第三版の解説

ろうじんはん【老人斑】

中年以降に、手・背中・顔面などの皮膚に現れる褐色または黒褐色の色素斑。
アルツハイマー病患者の大脳皮質にみられる円形のしみ状の異常。 β -アミロイドを核とし、その周囲を崩壊した神経突起などが取り巻く。 → アルツハイマー病

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の老人斑の言及

【老化】より

…神経細胞も脱落し,70歳代では20~30歳代の1/3が脱落するといわれる。アミロイドが沈着した老人斑が出現し,脳血管の動脈硬化が進行し,脳循環血量は減少する。これら脳の老化に伴う疾患としては,脳梗塞(こうそく)や脳出血などの脳血管障害や,パーキンソン病などの神経疾患が代表的である。…

※「老人斑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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