老馬の知(読み)ろうばのち

故事成語を知る辞典 「老馬の知」の解説

老馬の知

経験豊富な老人知恵のたとえ。

[使用例] 「三つ子の心は百までも」「老馬路を忘れず」という。青年時代に植えた種子は、よかれ、悪しかれ、いつまでも身辺まといつく[新渡戸稲造自警|1916]

[由来] 「韓非子ぜいりん・上」に出て来るエピソードから。紀元前七世紀、春秋時代の中国でのこと。せいという国の君主かんこうが、戦いに出かけた帰り、道に迷ってしまいました。すると、大臣かんちゅうが、「老馬の、用いるべきなり(老馬の知恵が役に立つでしょう)」と述べて、老馬を自由に進ませます。この馬のおかげで、一行はやがて帰り道を見つけることができたということです。

〔異形〕老馬道を忘れず。

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