ミミフタギ,ミミフタゲともいい,同年齢の者が死んだときになされる呪法。餅やだんごを作り,耳ふさぎ餅,耳だんごと称して,それで耳をふさぐ。そのときに〈悪いこと聞くな,良いこと聞け〉と唱えたり,使用した餅やだんごを川へ流したり,辻や村境へ持っていったりして,穢(けがれ)きよめや厄ばらいをする。村内,地縁,親戚,同組,男どうし,女どうしなどさまざまな間でなされるが,とくに15,16歳までの子どもに多くみられる。年違い餅,年増し餅と称してだんごを食べたり,村人に食べてもらって,年を一つとったと考える方法もある。この習俗は,すでに中世の《看聞御記(かんもんぎよき)》などに記されている。その背景には,地縁・血縁の関係をもつ同年齢の者,とくに若年層が相互に特別なつながりをもち,影響を与えやすいとする同齢感覚がある。豆,餅,だんごには,衰えた魂を奮い起こす力があり,一方でこれらを呪物として穢をはらい,他方では体内にとり込んで人体を活性化させて危機的状況を乗り切るのである。
執筆者:鈴木 正崇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…葬送儀礼。日本ではソウレン(葬殮,葬礼)とかノオクリ(野送り)ともよばれる。一般に死の発生から埋葬や火葬などの死体処理までの儀式を葬式とよんでいる。葬式の様相は,別項〈葬制〉の記述にみるように,各時代各地域によって多様であり,複雑である。したがって,日本だけとってみても,その典型的なやりかたというようなものを説明するのは不可能であるが,以下では,日本の各地で伝統的に行われてきたことがらのうち,比較的広くみられたことについて略述する。…
…暦日上の正月を待たずに年の途中に儀礼的に正月を迎え,旧年から脱しようとすること。天候不順で秋の実りが危ぶまれたり,悪疫が流行したり,天変地異が続くと,ときならずだれが始めるともなく餅を搗(つ)き,門松を立て,しめ縄を引き,服装を改めて正月礼に歩くことが起こり,次々に近隣に流行することがあった。これはその年の忌まわしさから脱し新たな嘉年を期待して行われるもので,仮作正月(かさくしようがつ)とも流行正月(はやりしようがつ)ともいわれる。…
※「耳塞ぎ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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