肉芽腫性鼓膜炎(読み)にくげしゅせいこまくえん(その他表記)Granulomatous myringitis

六訂版 家庭医学大全科 「肉芽腫性鼓膜炎」の解説

肉芽腫性鼓膜炎
にくげしゅせいこまくえん
Granulomatous myringitis
(耳の病気)

 細菌感染が原因といわれていますが、まだはっきりしません。痛みは軽度ですが、がんこな耳だれが続きます。耳の詰まった感じや耳鳴りを訴える人もいます。

 顕微鏡で観察すると20%に小穿孔(しょうせんこう)(穴)を認め、中耳の慢性炎症の影響を受けていることがあります。鼓膜を観察すれば診断は簡単ですが、中耳疾患を見逃さないよう、疑わしい場合は側頭骨CT検査なども行われることがあります。

 治療は耳だれを調べて起炎菌を検出し、その感受性検査の結果から、適切な抗生剤を耳浴(じよく)、点耳などで局所投与します。

 これで効果がない場合には肉芽を切除し、トリクロリールなどの薬品焼灼(しょうしゃく)(焼くこと)する場合もあります。薬物療法のみでなく、適切な焼灼などの局所処置が重要で、週1・2回根気よく繰り返すことで徐々に軽快してゆきます。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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