肉芽(読み)ニクガ

デジタル大辞泉 「肉芽」の意味・読み・例文・類語

にく‐が【肉芽】

外傷や炎症により欠損を生じた部分にできてくる、赤く柔らかい粒状の結合組織肉芽組織。にくげ。
零余子むかご」に同じ。
[類語]木の芽若芽新芽冬芽ふゆめ冬芽とうがひこばえ花芽はなめ花芽かが葉芽下萌え頂芽腋芽むかご麦芽もやし

にく‐げ【肉芽】

肉芽1

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精選版 日本国語大辞典 「肉芽」の意味・読み・例文・類語

にく‐が【肉芽】

  1. 〘 名詞 〙
  2. にくがそしき(肉芽組織)
    1. [初出の実例]「Granulation 肉芽」(出典:医語類聚(1872)〈奥山虎章〉)
  3. 植物ヤマノイモ・ナガイモなどに見られるような多肉質となった小塊状の腋芽。変態芽の一種で、多量の養分をたくわえ、葉が退化し、母体から離れて地上で発芽し新しい個体になる。

にく‐げ【肉芽】

  1. 〘 名詞 〙にくが(肉芽)

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改訂新版 世界大百科事典 「肉芽」の意味・わかりやすい解説

肉芽 (にくが)

〈にくげ〉とも読む。露出した創面を観察すると,出血など液性成分の滲出につづいて痂皮(かさぶた)が形成される。この痂皮をはがしてみると,下にはザクロの実のような桃色の顆粒状の盛上りがある。これを肉芽または肉芽組織granulation tissueという。盛んに増殖しつつある柔らかい血管に富む若い結合組織で,創面の壊死性組織を吸収し,欠損部を埋め,繊維化をおこす,創傷治癒にとってきわめて重要な組織である。また,壊死性組織や滲出物を肉芽組織によって吸収置換することを器質化organisationともいう。たとえば,皮膚の切創が十分に小さいときは,両端をぴったり合わせて治癒をはかることができる(第1次的の治癒)が,組織の大きな欠損が生じたときのように,皮膚を合わせることができないと,欠損部には肉芽組織が作られ,皮膚は周囲から再生して,肉芽の上をはって覆う(第2次的の治癒)。肉芽組織の構成は,新生毛細血管と,収縮能をもつ繊維芽細胞主体であり,これに炎症性の細胞浸潤が加わったものである。肉芽組織による欠損部の充てんが完了し,炎症反応が消退すると,繊維芽細胞からの膠原(こうげん)繊維の分泌が活発になり,血管の数が少なくなって,水分が減少して,肉芽は収縮し,瘢痕(はんこん)化(繊維化fibrosis)する(創のひきつれはこの現象による)。膠原繊維もしだいに吸収される。しかし,場所によっては(正中線,耳たぶなど),繊維芽細胞が,過剰に増殖して,かたまりをつくることもある。これがケロイドである。
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百科事典マイペディア 「肉芽」の意味・わかりやすい解説

肉芽【にくが】

外傷により生体組織が欠損した際や,炎症などの際,その部分に増殖する若い組織。たとえば皮膚創傷の治癒(ちゆ)時に,創面に赤い芽のような柔らかい顆粒(かりゅう)として見られる。成分は繊維芽細胞,毛細血管,遊走細胞など。組織の再生,器質化などに際して重要な役割を果たし,その役割を終えると瘢痕(はんこん)となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「肉芽」の意味・わかりやすい解説

肉芽
にくが

植物の芽の一種。地上部に生じ、葉は退化しているが、茎が養分を貯蔵して塊状に膨れており、離層によって母体から離落して栄養繁殖に役だつ。肉芽は、普通は葉腋(ようえき)にできる。ヤマノイモ、ムカゴイラクサなどのむかごがその例である。

[福田泰二]

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世界大百科事典(旧版)内の肉芽の言及

【肉芽】より

…この痂皮をはがしてみると,下にはザクロの実のような桃色の顆粒状の盛上りがある。これを肉芽または肉芽組織granulation tissueという。盛んに増殖しつつある柔らかい血管に富む若い結合組織で,創面の壊死性組織を吸収し,欠損部を埋め,繊維化をおこす,創傷治癒にとってきわめて重要な組織である。…

【肉芽腫】より

…腫瘍の本態が明確でなかったころに名づけられたので〈腫〉という語尾をもつ。病巣中心に組織球からなる結節があり,周囲を,一般の器質化組織である肉芽組織がとりかこむ組織構築をしており,定義上,肉芽腫とは中心部の組織球結節のみを指すとするものと,その周辺の肉芽組織をも含めるとするものと2者があるが,病変を特徴づけるのは,組織球からなる結節であり,時期によっては周りの肉芽組織を欠くこともあるので,病変の成立ちを論ずるうえでは,前者の立場が妥当である。この組織球性結節が類上皮細胞とよばれる形態的特徴を示す細胞からなるものは,類上皮細胞肉芽腫とよばれ,最も重要な肉芽腫である。…

※「肉芽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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