肝等屯倉(読み)かとのみやけ

日本歴史地名大系 「肝等屯倉」の解説

肝等屯倉
かとのみやけ

日本書紀」安閑天皇二年五月九日条の諸国屯倉設置記事にみえる豊国の屯倉。このとき一三ヵ国に二六ヵ所の屯倉が設置されたが、豊前地方は屯倉の密集地で、吉備地方(備後国・婀娜国)の七屯倉に次いで、当屯倉を含め五ヵ所の屯倉が設置されている。「釈日本紀」所引の「筑後国風土記」逸文によると、継体天皇三年反乱を起こした筑紫君磐井は戦に敗れて豊前国上膳かみつみけ(上毛郡)に逃れているので、豊国を支配していた豊国直氏と親密な関係にあり、このため乱鎮圧後豊国直氏は大和政権との信頼関係を再建するために、多くの屯倉を献上したとの説がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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