肝脳地に塗る(読み)カンノウチニマミル

デジタル大辞泉 「肝脳地に塗る」の意味・読み・例文・類語

肝脳かんのうまみ

《「史記」劉敬伝から》顔や腹が断ち割られ、脳や肝が泥まみれになる。非常にむごたらしい死に方をすることのたとえ。

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精選版 日本国語大辞典 「肝脳地に塗る」の意味・読み・例文・類語

かんのう【肝脳】 地(ち)に塗(まみ)

  1. ( 頭を砕かれ、腹を斬られて、脳髄肝臓が土まみれになるの意 ) むごたらしい殺し方をされるさま、また、無残な死に方をするさまにたとえる。〔日誌必用御布令字引(1868)〕〔史記‐劉敬伝〕

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故事成語を知る辞典 「肝脳地に塗る」の解説

肝脳地に塗る

むごたらしい死に方をすることのたとえ。特に、無残な殺され方をすることのたとえ。

[使用例] あなたのような方を主と仰ぎ持つならば、この肝脳を地にまみれさせても惜しくはない[吉川英治三国志|1939~43]

[由来] 「史記りゅうけい伝」に載せる、劉敬という人物ことばから。紀元前三世紀の終わり、前漢王朝を樹立したりゅうほうが、天下の中心地、らくように都を置こうと考えていたときのこと。劉敬は、劉邦がこれまで、人々が「肝脳地に塗る(肝臓や脳が泥まみれになるような、むごたらしい死に方をする)」ような戦いをくり返してきたことを指摘し、民心はまだ安定していないから、今は守るのにもっと有利なかんちゅう(現在のせん西せい省)に都を置いた方がよい、と述べ、劉邦の考えを変えさせたということです。

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