肥満の外科療法(読み)ひまんのげかりょうほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「肥満の外科療法」の意味・わかりやすい解説

肥満の外科療法
ひまんのげかりょうほう

肥満は食事・運動療法などで一時的に解消できても,それを維持するのが非常に難しい。十分な減量を図り,維持していく方法の一つとして外科療法がある。手術法としては食物摂取を抑えるために胃の容積を小さくするもの,消化吸収面積を減らし,摂取エネルギーを減らすものなどがある。前者の胃縮小術には,胃バイパス術や胃形成術がある。胃バイパス術では胃の入り口近くをステイブラーというものを用いて遮断し,胃を縫い縮め 50~60ml以下の容量にし,そして小さく縫い縮めた胃と小腸をつなぐ。消化吸収面積を減らす手術には小腸バイパス術があり,減量効果は良いが,腎結石や肝硬変,ひどい下痢などの副作用のため現在では行なわれていない。これらの合併症を少なくしようと試みられているのが胆膵バイパス術であるが,手術が煩雑になるという難点がある。その他,胃にバルーンを入れる方法や脂肪除去術がある。

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