家庭医学館 「肺胞性嚢胞」の解説
はいほうせいのうほう【肺胞性嚢胞】
発生原因がはっきりしないことが多く、ブラ、ブレブ、進行性気腫性嚢胞(しんこうせいきしゅせいのうほう)に分類されています。
ブラ 肺胞の組織内にできた異常な空間で、胸膜(きょうまく)の下や肺尖部(はいせんぶ)(肺の末端の狭まったところ)によくできます。気腫性嚢胞(きしゅせいのうほう)という名も、しばしば同じ病気を意味することばとして使われます。
ブレブ 胸膜と肺胞の間にできる嚢胞です。
進行性気腫性嚢胞 肺尖部から小さな嚢胞がしだいに拡大し、正常な肺を圧迫して、縮小させていくものです。
肺のX線写真では、あたかも、正常な肺の部分が消えていくようにみえるところから「消えていく肺(vanishing lung)」とも呼ばれます。
肺胞性嚢胞があっても無症状であることが多く、健康診断などで偶然に発見されることが少なくありません。
治療が必要なのは、嚢胞が大きくなって呼吸機能に大きな影響が出た場合、自然気胸(しぜんききょう)(「自然気胸」)をくり返す場合、細菌の感染をくり返す場合、などです。
以上のような場合は、嚢胞を手術によって切除します。