能冠(読み)のうかん

精選版 日本国語大辞典 「能冠」の意味・読み・例文・類語

のう‐かん‥クヮン【能冠】

  1. 〘 名詞 〙 天皇元服の時に置かれ、加冠理髪の役を補佐した役。多く内蔵頭が任じられて、空頂黒幘(くうちょうこくさく)を額に加え、櫛で総角(あげまき)を解き、元結で髪を結び、髪の末を切るなどした。
    1. [初出の実例]「天皇於紫宸殿元服〈略〉内蔵頭助信朝臣為能冠」(出典日本紀略‐天祿三年(972)正月三日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の能冠の言及

【元服】より

…そのため以前よりも見ばえがすることを意味する〈上げ優(まさ)り〉,その反対の〈上げ劣(おと)り〉〈元服劣り〉などという語まで生まれた。 天皇元服の場合は加冠,理髪,能冠の三役がある。中でも加冠は最も重要で,冠者(かざ)(元服する者)の髪を冠の中に引き入れるところから〈引入(ひきいれ)〉ともいう。…

※「能冠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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