脳血管造影

内科学 第10版 「脳血管造影」の解説

脳血管造影(画像診断学)

(4)脳血管造影
 脳の血管系の異常を検査する方法であり,小動脈を侵す血管炎などが最も適応になる(表15-4-11参照).ほかの検査に比べて合併症の頻度も高く,より重症な合併症を起こしやすい.イメージインテンシファイアーとテレビ系を用い,造影剤投与前・投与後の画像の引き算により血管像を描出する手法をDSA(digital subtraction angiography)とよび,コントラスト分解能にすぐれているため,広く普及している(図15-4-18C).
 脊髄血管造影は脊髄の血管奇形および腫瘍の診断,さらに大動脈瘤手術前のAdamkiewicz動脈の同定のために施行される.CTAに置き換わりつつある. interventional angiographyはカテーテルを用いた血管内治療法であり,動脈塞栓術(動脈瘤,動静脈奇形),選択的動注法(脳腫瘍),血管拡張術(動脈硬化,血管炎による狭窄血管攣縮)などがある.[柳下 章]
■文献
青木茂樹,堀 正明,他:造影CTが必要とされる症例2.脳脊髄領域.日獨医報,56: 80-92, 2011.
Dillon WP: Neuroimging in neurologic diseases. In: Harrison’s Principles of Internal Medicine 16th ed (Longo DL, Kasper DL, et al eds), pp3240-3250, McGraw-Hill, New York, 2012.
井田正博,菅原俊介,他:MRI T2強調画像と神経疾患 susceptibility-weighted imagingと脳血管障害神経内科,69: 251-260, 2008.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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