腎・尿路結核(読み)じん・にょうろけっかく(その他表記)Renal or urinary tract tuberculosis

六訂版 家庭医学大全科 「腎・尿路結核」の解説

腎・尿路結核
じん・にょうろけっかく
Renal or urinary tract tuberculosis
(呼吸器の病気)

 結核菌が、肺から血液に乗って腎臓に広まって生じます。腎皮質から血流の少ない腎髄質(じんずいしつ)や乳頭部に乾酪性(かんらくせい)空洞を形成し、尿細管に破れて、尿の流れに従って腎盂(じんう)、尿管、膀胱、尿道へと感染します。

 病変部が瘢痕化(はんこんか)し、尿管狭窄(きょうさく)萎縮膀胱(いしゅくぼうこう)を来します。結果として腎機能障害を生じます。排尿痛、頻尿(ひんにょう)、残尿感などの症状は軽く、膀胱炎の症状は反復してみられます。時に、血尿、尿の混濁、腰痛、恥骨(ちこつ)上部痛も経験されます。

 診断は尿中の結核菌同定検査で行います。3日間連続で早朝の新鮮尿を採取し、集めた尿を遠心分離器にかけて菌を集めたあと、チール・ネルゼン染色による顕微鏡検査を行います。また、点滴静注排泄性腎盂造影(てんてきじょうちゅうはいせつせいじんうぞうえい)を行い、腎杯(じんぱい)の虫食い像、拡張・変形、空洞形成、腎盂尿管の狭窄・拡張などの変形を調べます。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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