結核菌(読み)ケッカクキン

デジタル大辞泉 「結核菌」の意味・読み・例文・類語

けっかく‐きん【結核菌】

結核病原菌。細長い桿菌かんきんで、1882年にコッホ発見

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精選版 日本国語大辞典 「結核菌」の意味・読み・例文・類語

けっかく‐きん【結核菌】

  1. 〘 名詞 〙 結核症の病原菌。紫外線に比較的弱く、痰(たん)の中の結核菌が直射日光にあたると六~八時間で死滅する。一八八二年、コッホが発見。
    1. [初出の実例]「此肺病と申すは無論肺結核の事にて、其伝染は結核菌の媒介による者、其結核菌は肺患者の咯痰の中に存ずる者とか申候」(出典:消息(1899‐1900)〈正岡子規〉)

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百科事典マイペディア 「結核菌」の意味・わかりやすい解説

結核菌【けっかくきん】

結核の病原菌。マイコバクテリウム属の運動性のない杆(かん)菌(1〜4μm×0.3〜0.5μm)で,莢(きょう)膜,鞭毛(べんもう),芽胞をもたない。抗酸菌であるが発育環境により弱あるいは非抗酸性を示す。温血動物を冒す結核菌はヒト型,ウシ型,トリ型,ネズミ型に分けられる。人に結核を起こすのは主としてヒト型,まれにウシ型で,トリ型,ネズミ型およびその他の病原細菌に比べると培地上の発育がおそい。
→関連項目イソニアジド結核結節抗結核薬コッホストレプトマイシン腸結核肺結核皮膚結核副睾丸炎放線菌ラングハンス細胞卵巣炎

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「結核菌」の意味・わかりやすい解説

結核菌
けっかくきん
Mycobacterium tuberculosis; tubercle bacillus

ヒトに結核を起こす病原菌。1882年ドイツのロベルト・コッホにより確認された。鞭毛はなく,芽胞や莢膜もつくらない。グラム陽性であるが,マイコバクテリウム属の細菌の特徴である抗酸性という性質をもっているので,抗酸菌とも呼ばれる。菌体外毒素は産生しないが,培養液中には抗原性のある蛋白質成分が蓄積し,この培養ろ液を濃縮したのがツベルクリンである。ヒトに結核を起こす菌種(ヒト型結核菌)のほかに,ウシ型 M. bovis,トリ型 M. avium などが区別される。結核予防ワクチンである BCGはヒトに病原性を失ったウシ型結核菌の変異株である。

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栄養・生化学辞典 「結核菌」の解説

結核菌

 ヒト結核症の病原菌で,グラム陽性.

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世界大百科事典(旧版)内の結核菌の言及

【結核】より

…結核菌の感染によって起こる慢性の伝染病。結核にかかっている人,とくに肺に空洞をもつ人が咳をしたとき,まわりに結核菌を飛び散らし,近くにいる人が吸い込んで感染する。…

【コッホ】より

…ドイツの細菌学者。結核菌の発見者で,細菌学の創始者の一人であるとともに,19世紀後半の細菌学黄金時代の中心的存在でもあった。鉱山技師の子として,クラウスタールに生まれた。…

※「結核菌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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