腐らん病(読み)ふらんびょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「腐らん病」の意味・わかりやすい解説

腐らん病
ふらんびょう

果樹や林木の幹、枝に発生する病気で、代表的なものにリンゴ腐らん病がある。北海道など寒さの厳しい地方で発生が多く、幹に褐色湿疹(しっしん)状の腫(は)れ上がった病変部を生ずる。病変部は樹皮がはげやすくなり、アルコール様の臭気を発する。病変部は夏には乾燥してへこむ。病状が進むと病変部から上は枯れる。病原菌はカビの一種で子嚢(しのう)菌類に属するバルサ・ケラトスペルマValsa ceratospermaである。この菌はリンゴのほか、ナシ、ポプラ類、ナラカエデも侵し腐らん病をおこす。腐らん病はこのほかヤナギ類、ケヤキキリにも発生する。病原菌はValsa属の菌であるが、リンゴ腐らん病菌とは種が異なっている。

[梶原敏宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の腐らん病の言及

【胴枯病】より

…子座は秋にできることもあり,また越冬した病斑部に春形成されることもある。胴枯病として著名なものには,リンゴ腐らん病,クリ胴枯病,クワ胴枯病などがある。リンゴ腐らん病は寒冷地のリンゴ栽培地で被害が大きいが,1975年ごろ約40年ぶりに大発生し,発生地も南下して問題となった。…

※「腐らん病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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