腓骨神経麻痺(読み)ひこつしんけいまひ(英語表記)Peroneal paralysis

六訂版 家庭医学大全科 「腓骨神経麻痺」の解説

腓骨神経麻痺
ひこつしんけいまひ
Peroneal paralysis
(脳・神経・筋の病気)

どんな病気か

 腓骨神経のはたらきは、足首や足指を持ち上げ(背屈(はいくつ))、下腿外側の皮膚感覚を支配することです。腓骨神経は(しつ)関節外側のやや末梢圧迫を受けやすく、腓骨神経麻痺の原因としては、長時間にわたって足を組む姿勢をとることや、草むしりのような膝を曲げた姿勢をとること、硬い床の上で横向きに寝ることなどがあります。

 関節リウマチの患者さんは関節の変形により、これらの誘因がなくても腓骨神経麻痺がみられることがあります。

症状の現れ方

 下腿外側から足背部(足の甲)にかけてのしびれや感覚異常があり、足首や足指を上げることができない、いわゆる「垂れ足」になります。「垂れ足」が明らかでない時でも、障子敷居で足を引っかけたり、サンダルが脱げやすいといった症状がみられることがあります。

治療の方法

 症状が軽く、足を組むなどの明らかな誘因がある場合には、生活習慣の改善で軽快することがほとんどです。重症例では外科的な神経開放術が行われます。

野寺 裕之, 梶 龍兒

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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