建物の側回りや内部間仕切の開口部の下方に取り付けられた丈の低い横木をいう。元来は門の内外を限るもので,閾(しきみ)あるいは敷見(しきみ)といった。板戸,障子,ふすまなど引戸を開け閉めするための溝を突いたものが普通であるが,開き戸や開放の所に取り付けた溝のない無目(むめ)敷居もある。また,押入れや戸棚など上下2段に分けて建具を建てるとき,中間の敷居(下段には鴨居(かもい)にあたる)を中敷居という。引戸の場合,民家では,溝の先端が戸を引き出す位置で止まり,向き合った柱まで延びていないものがある。この手法は〈突きどめ溝〉と呼ばれ,江戸時代でも比較的古い民家に例が多い。なお,敷居は摩滅を防ぐためにカシ,サクラなどの堅木を用いることが多い。
執筆者:浜島 正士
敷居には種々の俗信や儀礼が伴っている。一般に敷居を踏んだり枕にすることは嫌われ,地方によっては敷居を枕にすると幽霊に踏まれるとか早死するといい,またここに座る者は雷に打たれるともいう。かつては敷居の下に胞衣(えな)や間引いた子を埋める風習もみられ,花嫁が聟の家に入る際にはよく敷居の所で死と再生を象徴する儀礼がなされた。また敷居ごしに物のやりとりをするのは,葬式の作法であるため,ふだんは忌まれている。
執筆者:飯島 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
建具によって部屋の内外を区画するとき、床面に敷く横木のこと。窓など開口部の下部に入れる横木もいう。門にも用いることがある。引き戸の場合には、建具を受け、横に滑らせるために、上面にレールを打つか溝を彫る。日本建築ではヒノキ、スギ、ツガなどを用い、建具を受ける上面に柾目(まさめ)をみせるのが普通である。溝が摩耗するので、溝の底に厚さ6ミリメートルほどの堅木を沈めることもある。引き通し雨戸の一筋敷居の場合には、堅木のほかに厚さ2ミリメートル程度の黄銅板などの金属板を底に入れることもある。重い戸の場合には、そろばんとよぶローラーがたくさんついた板を入れることがある。敷居の厚さは4~5センチメートルとし、幅は畳敷きのところでは柱の面内にあわせる。縁側などの場合には、柱幅にあわせる。上面は、畳敷きの場合には畳の上面にそろえる。江戸時代初期の木割書『匠明(しょうめい)』では、厚さは柱面三つ(柱の3/10)、幅は柱と同じと規定されている。近年はアルミサッシなどの普及により、金属の敷居も多くなった。敷居には、溝のない無目(むめ)敷居(滑(ぬめ)敷居、めくら敷居ともいう)、床より高い位置にある中敷居、普通の敷居より背があり柱に柄差しにした指(さし)敷居、欄間(らんま)などに用いる厚さの薄い薄敷居などがある。
[平井 聖]
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…〈しきい〉ともいう。通常,反応を起こすのに最小必要限の刺激の強さをいい,その値を閾値という。閾以下の強さの刺激(閾下刺激)では反応は起こらない。たとえば,網膜に視覚感覚を起こす最小の光の強さなどであるが,刺激によって反応を起こす種類の現象一般に用いられる言葉である。閾値は刺激の物理的な性質や時間経過によっても変化する。また反応する側の種々の内部要因によっても変わる。たとえば,同じ刺激が繰り返し与えられると,閾値が上がり,反応が起こらなくなるし,また逆にその刺激が長い間与えられず,反応の動機づけ(いわゆる衝動)が高まってくると,閾値が低下する。…
※「敷居」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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