腕渡り(読み)ウデワタリ(その他表記)brachiation

デジタル大辞泉 「腕渡り」の意味・読み・例文・類語

うで‐わたり【腕渡り】

ブラキエーション

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「腕渡り」の意味・わかりやすい解説

腕渡り
うでわたり
brachiation

樹上などで水平に近い支持物 (枝) に母指以外の指を掛けて体重を支え,腕を交互に出して移動する方法。垂直な枝や幹を握ったりかかえたりして登るような動作,あるいは足を使用するような方法は含まれない。テナガザル (ギボン) において最も高度に発達している。またオランウータンも相当発達しており,ゴリラ,チンパンジー,ヒトも不完全ながら行うことができる。この運動を行うには上肢屈筋が強大でなければならず,一方母指は退化することがある。ギボンが地上を歩くときに手を使用しないで足だけで歩くことや,腕渡りの際に体が垂直に保たれることなどから,かつてヒトの祖先も常習的に腕渡りを行なっていて,その後地上を直立二足歩行するようになったという説がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「腕渡り」の意味・わかりやすい解説

腕わたり (うでわたり)

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世界大百科事典(旧版)内の腕渡りの言及

【腕】より

…両生類以上の脊椎動物つまり四足動物は,高等硬骨魚類の胸びれ・腹びれからそれぞれ発展した前肢・後肢を1対ずつ備えている。これらは本来は陸上での歩行器官として発達したものだが,陸生動物の適応に伴ってさまざまに分化した。比較的大型で高等なサル類やヒトにみられるように,前肢(または手)が後肢と著しく異なって物をつかんだり器用に取り扱ったりする働きをもっている場合,その前肢を腕と呼ぶ。比較的原始的なサル類やネズミ,リス,クマなどの前肢もある程度このような働きをもっているが,これらは普通は腕とは呼ばず,その他の大半の四足動物と同じく俗に前足という(鳥類とコウモリ類の前肢は前足ではなく翼であり,クジラ類のそれは俗に胸びれまたはひれあしと呼ばれる)。…

【運動】より

…大型の鳥も翼を動かさずに滑空することがあるが,多くの場合,上昇気流を利用して舞い上がったり舞い下りたりする帆翔soaringをしている。
[腕わたりbrachiation]
 霊長類のうちの類人猿は,ひじょうに変わった移動様式をもっている。前肢で木の枝にぶら下がり,体を前後に振りながら〈腕で歩いて〉いく〈腕わたり〉であり,これが人類の直立二足歩行の能力を準備したといわれている。…

※「腕渡り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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