…【大塚 章】
[説話と伝説]
頼光と渡辺綱など四天王の武勇談は能の《大江山》,御伽草子の《酒呑(しゆてん)童子》にみえ,大江山の鬼退治として親しまれるようになった。屋代本《平家物語》剣巻に,瘧(ぎやく)病(わらわやみ)にかかった頼光は,加持しても効果なく,床に伏せっていると,ある夜たけ7尺ばかりの法師が縄をかけようとするので,枕元の名剣膝丸(ひざまる)をとって切りつけると手ごたえがあり,灯台の下に血がこぼれていた。その血をたどると北野社の塚穴に達し,掘ると中に大きな山蜘蛛(くも)がいるので,からめとって鉄の串にさし川原にさらした。…
※「膝丸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」