精選版 日本国語大辞典 「膝行る」の意味・読み・例文・類語
い‐ざ・るゐ‥【膝行・躄】
- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「居さる」の意。「居」はすわる、腰をおろす。「さる」は移動する )
- ① すわったままで移動する。ひざをついたり、しりを地につけたままの姿勢で進む。膝行(しっこう)する。
- ② すわる。坐す。〔物類称呼(1775)〕
- ③ 船が、浅瀬に船底をすらせながら、のろのろ進む。
- [初出の実例]「ふねをひきつつのぼれども、かはのみづなければ、ゐざりにのみぞゐざる」(出典:土左日記(935頃)承平五年二月九日)
- ④ 物が、置かれた場所からずれて動く。
- [初出の実例]「むつき過春はいざるや夏木立」(出典:俳諧・崑山集(1651)五)
- 「干物を日向(ひなた)の方へいざらせて〈利牛〉」(出典:俳諧・炭俵(1694)冬)