膵嚢胞性線維症(読み)すいのうほうせいせんいしょう(その他表記)cystic fibrosis of the pancreas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「膵嚢胞性線維症」の意味・わかりやすい解説

膵嚢胞性線維症
すいのうほうせいせんいしょう
cystic fibrosis of the pancreas

膵臓に嚢胞性線維化が起って,外分泌機能が低下または消失するため,消化吸収障害が起って,悪臭のある便を大量に排出する疾患で,劣性遺伝する。かつてはグルテンが原因で発症するセリアック症候群に含まれていたが,その後,独立疾患として認められるにいたった。膵臓のほか,全身のあらゆる外分泌腺に器質的または機能的異常が生じ,分泌物が粘稠となる。そのため,消化器系では腸閉塞症状を,呼吸器系では気管支炎肺炎を起しやすく,これがおもな死因となる。病因は不明。白人に多く,東洋人にはきわめてまれ。対症療法のみで,根治療法はまだ確立されていない。

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