臨床培養士(読み)りんしょうばいようし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「臨床培養士」の意味・わかりやすい解説

臨床培養士
りんしょうばいようし

再生医療の実施にあたり専門的知識に基づいて細胞調製・培養を行う認定資格、また、その保有者。再生医療の安全性の確保と効果的な実践および発展を目ざして、2014年(平成26)に日本再生医療学会が「日本再生医療学会臨床培養士認定制度」を創設した。資格認定の要件として、以下の3点をあげている。(1)再生医療における細胞/組織の調製・培養を行うに十分な技術をもつこと、(2)細胞の培養法や性質について、再生医療における適切な法的・制度的知識を有すること、(3)再生医療における細胞/組織培養の十分な経験を有すること。日本再生医療学会臨床培養士認定制度委員会が審査を行ったうえで認定証を交付し、3年ごとに更新審査を行う。

 こうした認定制度が生まれた背景には、医療現場で正規の手続を経ずに再生・細胞医療と称して幹細胞輸注や投与、移植などが行われ、さまざまな医療事故が発生している事態がある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android