自動車整備業(読み)じどうしゃせいびぎょう

改訂新版 世界大百科事典 「自動車整備業」の意味・わかりやすい解説

自動車整備業 (じどうしゃせいびぎょう)

自動車の診断,調整,修理,部品交換を行う事業。自動車整備の良・不良は事故,公害燃料浪費に直結するため,各整備工場に国家検定による一定資格の整備士と診断および作業用機器の保有が義務付けられ,道路運送車両法に基づく認証が必要であり,不正があれば取り消される。整備作業には,定期的に行う予防整備と不具合が発生したときの臨時整備とがあるが,予防整備のうち車検直前の車検整備が売上げの半分弱を占め,臨時整備は4割程度である。1台当りの作業量は,自動車の製造品質の向上と走行距離の減少により漸減している。年間総売上額3兆6850億円,全企業数6万8900,従業者約34万人(1994)。約7割が整備専業で,ほかに自動車販売店の経営によるもの,バス,タクシー,トラック事業者等の自家整備のものがある。電装品,車体タイヤを専門に整備する企業もある。整備専業の約7割が5人以下の小企業である。そのためにも,必要にして十分な整備の実施と企業責任の明確化が必要とされている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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