自由連合協定(読み)じゆうれんごうきょうてい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自由連合協定」の意味・わかりやすい解説

自由連合協定
じゆうれんごうきょうてい

アメリカがミクロネシア連邦マーシャル諸島共和国ニュージーランドクック諸島ニウエ島との間で締結している政治・安全保障・経済協力に関する2国間協定で,基本的に軍事権はアメリカやニュージーランドに属する。たとえばアメリカとの自由連合協定の場合,アメリカは軍事権を獲得し,ミクロネシア諸国側は内政自治権,安全保障問題に属さない外交権の行使を認められる。代償としてミクロネシア諸国はアメリカから財政援助を受けるというもので,国際的には独立国として承認されており,国連への加盟も実現している。国連の信託統治領であったパラオでは 1981年1月に,自治政府としてパラオ共和国が発足し,核兵器の持込みと貯蔵を一切禁止する反核憲法を公布した。パラオ共和国をアメリカの軍事戦略拠点として利用させないという政治的目的があったといえる。しかし冷戦終焉はミクロネシア地域の戦略環境を一変させたとの認識が生れ,憲法の反米的色彩を取除くことによって自由連合協定をアメリカと締結し,アメリカの経済支援を再び獲得することを目指している。自由連合方式以外には,内政自治権だけを保持するコモンウェルス方式があり,北マリアナ諸島はその例であるが,独立国家ではない。

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