日本大百科全書(ニッポニカ) 「コモンウェルス」の意味・わかりやすい解説
コモンウェルス
こもんうぇるす
Commonwealth
現在は旧イギリス領植民地からなる「イギリス連邦」をさす。第一次世界大戦後、カナダその他自治領諸国の地位向上に伴い、各国の内政・外交における完全な独立のもとで、緩やかな連合体として成立した。1949年以降は、「ブリティッシュ・コモンウェルス」という名称にかわって単に「コモンウェルス(連邦)」が正式の名称となった。
歴史的には、イギリスのピューリタン革命における国王不在の時期、より厳密にいえば1649年の共和政の成立から1653年の護国卿(きょう)政権の成立までの時期を「コモンウェルス」とよぶ。国内的には革命をどこまで推し進めるかについて議会と軍隊が対立を続けていたが、対外的には議会派による植民地支配が確立し、また、スコットランド軍を撃破するなど、内戦後のいちおうの安定を形成しつつある時期であった。(書籍版 1986年)
[小泉 徹]