興正寺(京都市)(読み)こうしょうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「興正寺(京都市)」の意味・わかりやすい解説

興正寺(京都市)
こうしょうじ

京都市下京(しもぎょう)区花園(はなぞの)町にある真宗興正派の本山。山号は円頓山(えんとんざん)花園院。仏光寺第12世性善の長子経豪(きょうごう)は、第14世を継いだが蓮如(れんにょ)に帰依(きえ)し、跡を弟の経誉(きょうよ)に譲って仏光寺を出た。そして山科(やましな)に一宇を設け、仏光寺の旧称をとり、これを興正寺とした。経豪は蓮教(れんきょう)と改名し、1482年(文明14)蓮如の本願寺に所属した。長子蓮秀(れんしゅう)のとき日蓮宗徒による本願寺焼打ちがあり、本願寺が大坂石山に移ったので興正寺も大坂天満(てんま)へ移った。1591年(天正19)本願寺が京都に戻ったときも行動をともにし、本願寺の南隣の現在地に移った。このように本願寺と緊密な関係にあったが、江戸時代に入り宗義上の問題から本願寺と不和となり、のちに和解したが、1876年(明治9)に独立。現在の大師堂、阿弥陀(あみだ)堂は1912年(明治45)の建立

清水 乞]

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