航法用計算盤(読み)こうほうようけいさんばん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「航法用計算盤」の意味・わかりやすい解説

航法用計算盤
こうほうようけいさんばん

時間、速度、距離、燃料消費量など、いろいろな要素や単位が複雑に組み合わされる航空機航法の計算を、なるべく簡便に短い時間で行い、正確な結果が得られるように考案された計算尺一種

 計算盤は円形両面を使用する。表面にはスライディングスケールが組み合わされていて、風のベクトルと飛行中の航空機のベクトルを合成して、機首方位(または航跡)、修正角(または偏流角)、対地速度などを算出するときに使用する。裏面は対数目盛りになっている外側の固定目盛りと内側の回転目盛りの組合せで構成されており、比例計算により飛行時間、飛行距離、燃料消費量、その他飛行に関する各種の計算、換算を行うときに使用する。飛行計画を作成する場合には欠くことのできない計算器具である。外国製、日本製いずれも数種類市販されているが、原理的には同じで、購入にあたっては航空機の種類と速度に適した精度のよいものを選ぶことがだいじである。

[青木享起・仲村宸一郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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