航空事故補償限度(読み)こうくうじこほしょうげんど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「航空事故補償限度」の意味・わかりやすい解説

航空事故補償限度
こうくうじこほしょうげんど

航空事故の際に支払われる補償金の限度額。 1995年国際航空運送協会 IATAが限度額の撤廃を発表した。日本の航空会社はそれに先立って 1982年4月から国内航空の責任限度額の廃止を実施,1992年 11月からは国際航空の責任限度額を廃止,加えて 10万 SDR (約 1600万円) までは無過失責任,つまり航空会社に過失がなくても補償に応じる制度を採用した。航空事故の際に支払われる補償限度額は,国や航空会社によってかなりの開きがあるが,限度額があることによって補償交渉そのものが難航する場合が多く,乗客・家族,会社双方にとって重い負担になってきた。また,実際に支払われる補償額も限度額以上になることが多いことや,保険料負担にもあまり影響しないこともあって,撤廃へ向けて進み始めた。

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