色事師(読み)イロゴトシ

デジタル大辞泉 「色事師」の意味・読み・例文・類語

いろごと‐し【色事師】

歌舞伎で、色事を演じるのを得意とする役者れ事師。
情事の巧みな男。女たらし。

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精選版 日本国語大辞典 「色事師」の意味・読み・例文・類語

いろごと‐し【色事師】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 歌舞伎で、色事の役を得意とする役者。濡れ事師。
    1. [初出の実例]「後の薪水は初より色事師の名代にて」(出典:談義本・根無草(1763‐69)後)
  3. 情事にたくみな男。女たらし。恋知り。色師。
    1. [初出の実例]「成程此旦那大色事仕でござります」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)座摩社)

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世界大百科事典(旧版)内の色事師の言及

【ドン・フアン】より

…ファウストと並んでヨーロッパに流布していたスペインの伝説上の人物。ドン・フアン伝説は〈色事師〉と自分が殺した人物の石像を嘲弄して食事に招待する〈石の招客〉という二つの要素からなっている。これら2要素の起源に関しては諸説あるが,まず〈石の招客〉の原型としては,14世紀ころからヨーロッパ各地に散在していた,〈路傍に転がっている髑髏(どくろ)を蹴るとそこに亡霊が現れ,その亡霊を食事に招待する〉という伝説が考えられ,また〈色事師〉のモデルとしては,スペインのペドロ(1世)残虐王(在位1350‐69)の宮廷に出入りしていたドン・フアン・テノーリオという人物が考えられているが,いずれも確実な史的根拠があるわけではない。…

※「色事師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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