…これは遊郭設置の政治的意図にも反し,遊里を悪所(あくしよ)と呼んで遊女を蔑視(べつし)した社会通念とも矛盾するが,その点にこそ江戸時代文化の特質を認めるべきであろう。前期におけるおびただしい色道書の著作は,ひとえに遊郭の案内書的性格が強いとはいえ,ついに《色道大鏡》という大冊の金字塔を生むに至っている。たとえ求道精神が旺盛だとしても,売春に色道(好色道)を見いだしたのは決して個人の趣味に基づく発想でないだけに特異である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」