花コウ岩質層(読み)かこうがんしつそう

百科事典マイペディア 「花コウ岩質層」の意味・わかりやすい解説

花コウ(崗)岩質層【かこうがんしつそう】

上下2層からなる大陸地殻上層。普通厚さ20〜30km,若い造山帯の下で50〜60km。この層では地震波縦波速度は毎秒5.5〜6.5kmで,そのことから花コウ岩か,またはそれと同じ組成,同じ密度岩石(たとえば片麻岩)からなると推定されている。大洋地域には存在しないか,存在しても薄いとされる。現在この用語はほとんど使われない。
→関連項目コンラッド不連続面シアル大陸

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世界大百科事典(旧版)内の花コウ岩質層の言及

【地殻】より

…海洋地殻の主要部のP波速度は約7km/sで,大陸地殻の下部に相当し,大陸地殻の上部に対応する層は存在しない。岩石中を伝わる地震波速度との比較から,大陸地殻上部は,花コウ岩的な酸性岩よりなると考えられ,花コウ岩質層と呼ばれる。一方,大陸地殻下部や海洋地殻は,斑レイ岩(玄武岩質の深成岩)的な塩基性岩よりなると考えられ,玄武岩質層と呼ばれる。…

※「花コウ岩質層」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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