シアル(読み)しある(英語表記)sial

翻訳|sial

デジタル大辞泉 「シアル」の意味・読み・例文・類語

シアル(sial)

地殻の最上層。地殻の花崗岩かこうがん質層にほぼ相当する。珪素けいそ(Si)とアルミニウム(Al)とが多いところから名づけられた。

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精選版 日本国語大辞典 「シアル」の意味・読み・例文・類語

シアル

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] sial [ドイツ語] Sial ) 大陸地殻上層部のこと。この部分には、ケイ素(Si)とアルミニウム(Al)とが多いと考えられたために、このように呼ばれた。厳密に定義された語ではない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シアル」の意味・わかりやすい解説

シアル
しある
sial

大陸地殻の上部を構成する層。もともとは、オーストリアの地質学者ジュースがケイ素(Si)とアルミニウム(Al)に富む花崗(かこう)岩や片麻岩などの岩石に対して名づけたものであるが、転じて、このような岩石からなるとされている大陸地殻の上部をさすようになった。現在では、大陸地殻の上部をシアルとよぶことは少なく、花崗岩質層とよぶのが普通である。大陸移動説が盛んであったころは、マントル海洋地殻と区別して大陸地殻をさすのに用いられたこともある。

[吉井敏尅]

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百科事典マイペディア 「シアル」の意味・わかりやすい解説

シアル

地殻の最上層。E.ジュース地球内部の構造について3層からなると考え,上から下へ,サルsal,シマsima,ニフェnifeと名付け,後にウェゲナーがサルをシアルsialと改名。シアルはケイ素SiとアルミニウムAlとを組み合わせたもので酸性の岩石が特徴的。シマはSiとマグネシウムMgの頭文字から合成,苦鉄質岩を表す。ニフェはニッケルNiと鉄Feから作ったもの。ニフェはに,シアルは花コウ岩質層に,シマは玄武岩質層にほぼ相当する。現在はほとんど用いられない。

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化学辞典 第2版 「シアル」の解説

シアル
シアル
sial

大陸地殻(深さ約30 km)の大部分を構成すると考えられる物質で,SiとAlを主成分とするという考えから,この用語がつくられた.花こう岩や花こうせん緑岩などの軽い岩石からなるとされ,密度は2.5~2.7 g cm-3.また,地震波(P波)の速さは約6 km s-1 といわれる.海底地殻にはシアルはない.大陸や大洋の基底をなすシマの上にシアルの大陸が浮動してると考えられている.

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岩石学辞典 「シアル」の解説

シアル

地球の上部帯で,主としてシリカ(silica)とアルミナ(alumina)から構成された部分.すなわち花崗岩質層である[Suess : 1888].この語は組成の意味が含まれているので現在は一般的に使われず,上部地殻(upper crust)が使われており,上部地殻という語には特別な組成の意味は含まれない.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シアル」の意味・わかりやすい解説

シアル
sial

大陸地殻の上半部で,約 6km/sのP波速度をもつ部分。この部分は花崗岩質の岩石から形成されているとみられ,ケイ素 Siとアルミニウム Alを多く含むという意味でシアルと呼ばれたが,今日ではあまり用いられない。

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