苔の下水(読み)コケノシタミズ

デジタル大辞泉 「苔の下水」の意味・読み・例文・類語

こけ‐の‐したみず〔‐したみづ〕【×苔の下水】

苔の下を通って流れる水。
岩間とぢし氷も今朝は解けめて―道求むらむ」〈新古今・春上〉

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精選版 日本国語大辞典 「苔の下水」の意味・読み・例文・類語

こけ【苔】 の 下水(したみず)

  1. 苔の下を通ってゆく水。
    1. [初出の実例]「岩間とぢし氷もけさは解けそめて苔の下水道もとむらん〈西行〉」(出典:新古今和歌集(1205)春上・七)

苔の下水の語誌

苔の下を水が流れていくという発想は、挙例西行歌以前には見出し得ず、冬の暗く閉塞的な草庵生活の中で春を待望する心がとらえた、西行の新造語か。この表現は、以後の勅撰入集歌や謡曲など広範な分野に影響の跡がうかがえる。

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