若栗新田(読み)わかぐりしんでん

日本歴史地名大系 「若栗新田」の解説

若栗新田
わかぐりしんでん

[現在地名]高萩市若栗

関根せきね川上流に位置し、多賀山地の山が連なる。「領地村鑑」(茨城県歴史館蔵)に「土地高クシテ四方ニ山有リ至寒気多シ」とある。南は上手綱かみてつな村。

万治二年(一六五九)の宗旨御改帳(宇野家蔵)に「若栗新田」とあるが、元禄郷帳にはみえない。「松岡地理志」によれば、明暦元年(一六五五)久慈郡里川さとがわ新田(現里美村)の蓮実掃部衛門によって開発され、「此新田古ハ君田辺ノ者開キ始メシカ悉ク野鼠発向シテ田畠ノ作物喰ヒ枯ラシ(中略)里民住ミ難クシテ開発ヲ捨置ト云又其後総衛門ト云者来テ開シカ又元ノ如ク鼠ノ為ニ開発シカタシ故ニ鼠ヲ氏神ニ祭リ吉田大明神ト称ス其以来鼠ノ患ナクシテ掃部衛門総衛門等精々開発成就」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報