茶運び人形(読み)ちゃはこびにんぎょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「茶運び人形」の意味・わかりやすい解説

茶運び人形
ちゃはこびにんぎょう

からくり人形一種で、鯨のひげでつくったぜんまい仕掛けで動く。人形の手に茶碗(ちゃわん)をのせると、歯車が回転して前進し、茶碗をとると止まる。とった茶碗をまたのせると後ろ向きになってもとに戻る。1796年(寛政8)刊の『機巧図彙(からくりずい)』(細川半蔵頼直(よりなお)著)には、その内部のからくりの図の解説がある。また江戸中期に上方(かみがた)で刊行された『絵本菊重ね』には人形の絵が描かれており、井原西鶴(さいかく)の句にも「茶をはこぶ人形の車はたらきて」とある。茶くみ人形ともいう。当時では珍しい自動玩具(がんぐ)で、宴席余興などにも用いられた。

[斎藤良輔]


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