日本大百科全書(ニッポニカ) 「荒雄川」の意味・わかりやすい解説
荒雄川
あらおがわ
宮城県北西部を流れる川。北上川の支流江合川(えあいがわ)の上流部をいう。荒雄岳(992メートル)の東麓(とうろく)から逆時計回りに環流し鬼首(おにこうべ)の盆地に入り、鳴子(なるこ)ダムを経て、大谷川(おおやがわ)と合流し、大崎(おおさき)市岩出山(いわでやま)付近からは江合川となり大崎平野に出る。1958年(昭和33)鬼首―鳴子間に、洪水調節など多目的ダムの鳴子ダムが建設された。ダムはアーチ式で、高さ94.5メートル、長さ215メートル。人工湖の荒雄湖は約3キロメートルの細長い湖で行楽地となっている。流域には川渡(かわたび)、鳴子、中山平(なかやまだいら)、神滝(みたき)、轟(とどろき)、吹上(ふきあげ)、宮沢など温泉が多く、玉造温泉郷県立公園(たまつくりおんせんきょうけんりつこうえん)となっている。大谷川は峡谷をなし鳴子峡とよばれ、紅葉の景勝地である。
[青柳光太郎]