日本大百科全書(ニッポニカ) 「菌こぶ」の意味・わかりやすい解説 菌こぶきんこぶ 菌の寄生によって植物におこる病気の一病徴で、かつては菌えい(菌癭)とよんだ。さび病菌やもち病菌のような絶対的活物寄生菌(宿主細胞が死ぬと生活できなくなる菌)は、宿主内に侵入しても宿主の細胞を殺さず、むしろこれを刺激して、細胞の肥大や分裂を促進する。その結果、寄生を受けた部分は異常に細胞分裂をしてこぶをつくったり、異常に枝分れをしててんぐ巣病状の病巣をつくる。このように菌の寄生によってできるこぶが菌こぶである。菌こぶができる病気には、こぶ病とか癌腫(がんしゅ)病などの病名がつけられる。[今関六也] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例