菌癭(読み)キンエイ(その他表記)fungus-gall

デジタル大辞泉 「菌癭」の意味・読み・例文・類語

きん‐えい【菌×癭】

菌類寄生によって植物体の一部が肥大してできた、こぶ状や塊状部分。松の枝にできるこぶなど。菌こぶ

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精選版 日本国語大辞典 「菌癭」の意味・読み・例文・類語

きん‐えい【菌癭】

  1. 〘 名詞 〙 菌類および細菌類の寄生によって植物体の一部が異常に発達し、こぶ状、または塊状となった部分。寄生菌の出す代謝物質刺激などによって組織が肥大するものと考えられ、松の枝のこぶ病、椿(つばき)の葉のもち病などにみられる。菌瘤(きんこぶ)

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改訂新版 世界大百科事典 「菌癭」の意味・わかりやすい解説

菌癭 (きんえい)
fungus-gall

植物体に菌が侵入,寄生した結果,植物体上に生じたこぶ状,膨状の局部の異常肥大をいう。菌癭を生ずる菌は,1種類ではなく種々の菌と植物の組合せで生ずる。ツツジ,サザンカ,チャなどの餅病タンポポハコベのべと病,マツのこぶ病,ハクサイ,キャベツの根こぶ病,モモ,スモモのふくろみ病などは菌癭の例である。いずれも植物の細胞間隙かんげき)あるいは細胞内部に侵入増殖した菌が,付近の組織に種々の刺激を与えて異常肥大を起こさせると考えられている。なお広義には細菌の寄生によるこぶも菌癭という。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「菌癭」の意味・わかりやすい解説

菌癭
きんえい
fungus-gall; mycocecidium

菌類が寄生したために高等植物の体の細胞,組織,器官が異常に肥大して生じる病的奇形。たとえばツツジの葉にみられる餅病,マツの枝にみられる瘤病などがある。原因は,菌の寄生に伴う植物生長制御物質 (ホルモン) などの量および分布の異常にある。

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