菱川村(読み)ひしかわむら

日本歴史地名大系 「菱川村」の解説

菱川村
ひしかわむら

[現在地名]伏見区羽束師はつかし菱川町

鴨川・桂川合流地点の西岸志水しみず村の西に位置する。北は久我こが村、南は古川ふるかわ村と境し、西は上植野かみうえの(現向日市)と接する。

菱川の地名はまず荘園名として現れる。「台記別記」仁平三年(一一五三)八月八日条の、春日詣雑事を定めたとの記事に、「裹飯五百果」を負担する荘園のなかに菱河御庄の名がみえる。この菱河庄は、建長五年(一二五三)の近衛家所領目録(近衛家文書)にも「庄務無本所進退所々」の項に、「京極殿領内山城国菱河庄」とあり、摂関家領荘園であったことがわかる。

その後、正和四年(一三一五)の僧真聖寄進状(東寺文書)に、山城国菱河庄の名が記載されているが、近衛家領菱河庄との関係は不明。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報