萩能薫(読み)はぎのかおり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「萩能薫」の意味・わかりやすい解説

萩能薫
はぎのかおり

ナツミカンの外皮を三日月形に切り、砂糖で煮つめた菓子で、砂糖漬けの一種。山口県萩市の名菓だが、萩市では普通夏橙(なつだいだい)菓子とよぶ。創作当初の1887年(明治20)ごろは苦味(にがみ)がきついため評判はよくなかったが、あく抜きなどの改良を重ねて、1909年(明治42)刊の『萩案内』には「芳香佳味、茶用として妙なり」と紹介されるに至った。その販路も関西地方から北海道、台湾、朝鮮にまで拡大されている。萩地方のナツミカンは安永(あんえい)年間(1772~81)に長門(ながと)市青海(おうみ)島で発見された原樹に始まる。栽培は明治初年に失業士族への授産事業として奨励されたが、明治中期には萩特産の果実として名をあげ、夏橙菓子がつくられる土台を築いた。

[沢 史生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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