葦原雀・吉原雀(読み)よしわらすずめ

精選版 日本国語大辞典 「葦原雀・吉原雀」の意味・読み・例文・類語

よしわら‐すずめ よしはら‥【葦原雀・吉原雀】

[1] 〘名〙
① 鳥「よしきり(葦切)」の異名。《季・夏》 〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 転じて、早口で多弁な人。おしゃべり。
浄瑠璃・八百屋お七(1731頃か)下「よしはらすずめ口々に、科のよしあし夕時雨」
③ 江戸吉原遊郭にしばしば出入りして、その内情に詳しい人。
※浮世草子・好色二代男(1684)二「何者ぞと見れば、吉原雀(ヨシハラススメ)の早口の茂介目なり」
[2] (吉原雀) 歌舞伎所作事。長唄。初世桜田治助作詞、富士田吉治・杵屋作十郎作曲。本名題「教草吉原雀(おしえぐさよしわらすずめ)」。明和五年(一七六八)江戸市村座初演。鳥売りに身をやつした八幡太郎義家が危難にあうのを、女鳥売りになった鷹の精が助ける筋があり、放生会の故事から吉原の郭の諸分(しょわけ)が歌われる。後に清元化され両者とも流行する。

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